京都の木の家注文住宅のエビナ製材ブログ

【考察】木の家注文住宅のご依頼をいただくお客さんの変化

※この記事はブログの先頭に固定しています。重要な内容を含んでいるためです。

どうもみなさんこんにちは、エビナ製材海老名宣行です。

ご依頼いただくお客さんの変化

ここ最近、エビナ製材へのアクセス解析の傾向や実際に顔を合わせてお話するお客さんの傾向が変わってきているように思い、一度どういう風に変わってきているのか、まとめとしてブログに書いてみたいと思います。記事は何回かに分けて追記していきます。

これまでの10年間のお客さんの傾向

エビナ製材として木の家注文住宅の事業は2008年からはじめました。ですので、今で既に10年は経過しています。ここ10年間のお客さんで特徴的だったことを主なものだけ挙げると、

・「木の家」という概念が新鮮だった

今でも賃貸住宅等では変わりませんが、「ピカピカのフローリングにビニルクロスで仕上げた壁と天井の注文住宅」ではなく、「スギやヒノキやパインなどの無垢材をフローリングに使い、壁と天井は珪藻土で仕上げる注文住宅」というのは、ハウスメーカーや中小の工務店が手をつけてこなかった分野でした。今でこそ、「注文住宅」といえば「無垢材を使うのが当たり前」であり「注文住宅=木の家」になっていますが、10年前はそれ自体が珍しかったです。

なぜ珍しかったかというと、無垢材はクレームが出やすいので、つくる側は使いたがらないからです。

無垢材は、温度や湿度で膨張したり縮んだり反ったり割れたりするので、ハウスメーカーからすれば「クレームのもとになるもの」であったので採用されることはなく、反りも割れも膨張収縮もしないピカピカのフローリングであればクレームが出にくいから採用されていました。

・奥さんが中心

エビナ製材として取り組んできたのは、奥さんのたくさんの希望を一つ一つ叶えていくことでした。そしてご主人はそれらの要望に最終的に承認するもしくは反対するという感じでした。ご主人の希望や要望はあんまりありませんでした。恐らく、ご主人は残業で夜遅くまで仕事して、家のことに興味がない(もしくは関わっている余裕がない)ということもあり、夫婦揃って積極的に家づくりに参加される人は少なかったです。

・空間のイメージがつかみにくい

女性特有のものなのかわかりませんが、迷われることが多いので選択するのに時間がかかることや、空間のイメージがつかみにくいことから、出来るだけ焦らさないようにじっくり時間をかけて決めてもらったり、建物が建って空間イメージがある程度わかるようになる頃まで最終的な決定を待つようにしていました。そりゃ2000万円もする大きな買い物ですから迷うのは当然ですし、もともと家に関して妄想されていたと思いますから、その妄想に合うのがなんなのかをじっくり考える時間は必要です。それに、紙に描いた1/100の図面で素人のお客さんにいきなり3次元の空間を把握して理解してもらうのはまず無理です。

・ウェブサイトを見る時間帯は平日の22:00〜23:00頃

推測ですが、子どもを寝かしつけて夫婦二人の時間になったときに家づくりの話をされているのだと思います。資料請求については平日や土曜日の朝のうちが多いです。これもここ最近は時間帯がずいぶん変わってきています。

と、いうのが特徴でした。

今から10年以上前であれば、どちらかと言えば「家を建てる側主導」の家づくりでしたから、工務店が主導して工事の工程に沿って物事を決めていくやりかたでした。僕が材木屋として工務店さんの現場に配達に行ったときに、たまに「思ったのと違う」とお客さんが不満そうにされていたり「思ったのと違い過ぎて、若奥さんが泣いている」という光景に出くわすことがありました。

それを見ていて「これはいかん」と思って、「お客さんの意見、特にこれまでないがしろにされがちだった奥さんの意見を十分に取り込んで家をつくろう」と決めました。それを徹底して取り組んできたことで、今のエビナ製材のウェブサイトに載っているようにたくさんの施工事例とインタビューで答えていただいたような内容の仕事をしてきました。

2019/04/14追記↓

10年が過ぎて変わってきたこと

さて、10年が過ぎてお客さんにどういう変化が起きているかについて書いていきます。

・「注文住宅=木の家」になった

いろんな工務店さんやハウスメーカーも含め、注文住宅ではスギやヒノキの無垢フローリングが普通に使われるようになりました。高級な無垢フローリングであれば、ナラ(オーク)やタモ(アッシュ)やウォルナットなども使われます。

というように、無垢のフローリングが注文住宅で普通に当たり前に使われるようになり、もともとエビナ製材が「木の家注文住宅」という概念でつくってきた注文住宅は、10年経って「木の家注文住宅」ではなく「普通の注文住宅」に変わって来ました。ここがとても大きな変化です。普通に白い壁に無垢フローリングが使われている注文住宅であれば、誰でもどこの会社でもつくっているものになりました。それだけ無垢材を使うことが浸透してきたということです。

・だけどそれでは面白くない

どこの会社でつくっても同じものが出来るので、値段競争が働きます。いわゆる「コモディティ化」「陳腐化」という状態ですね。エビナ製材としては、それでは面白くないし、値段競争に巻き込まれたくはないです。

ですので、他が真似出来ないもっとこだわった家をつくっていきます。つくっていきますというより、よりこだわった家をつくりたいお客さんが既に来店されて実際につくっています。どんなお客さんが来られて、どういう好みのものになってきているかといいますと、例えば「BESSの家」のようにコテージやログハウスのような内観で自由に設計したいお客さんや「MUJIの木の家」のようなスッキリとムダな壁が一切ないオープンな家などをつくってきました。

・「コテージ」のような、木をふんだんに使う家

無垢の木を使う場合もあれば、通常下地として使っている合板も意図的に仕上げとして使うこともアリです。どちらの家にも土間があります。

・スッキリとムダな壁が一切無いオープンな木の家

玄関開けたら1階(風呂・洗面・トイレを除いて)全てが見通せる、全く仕切りのない家です。MUJIの木の家のカタログを見せていただいて、こんな風につくりたいとお話をいただいてつくりました。通行人から「公民館ですか?」と聞かれることがよくありました。笑 

・断熱性能を世界レベルまで向上させる家

通常でも吹付断熱材アイシネンを使用して高い断熱性を確保していますが、そこにサッシも三重ガラスの樹脂サッシを使うことで更なる高断熱化が可能になります。今、エビナ製材で標準的に採用しているのは二重ガラスのアルミ樹脂複合サッシです。

・室内に土間のスペースを広くとり、そこに薪ストーブを置いたり、自転車やスキースノボ、キャンプ用品などのアウトドア用品を置く家

このご要望はとても多いです。土間なので多少汚れても良い場所ですから、土が付いていても良いしそこで自転車やキャンプ道具のメンテナンスも可能です。そこの壁にDIYで自由に棚を付ければ、いろんな道具を置いておけますし、盗難防止のために自転車を置いておけます。

・ご主人が中心

過去の10年は奥さんの目線で家をつくることを中心にしていましたが、最近はご主人のほうがこだわりが強く要望も多いご家庭が増えてきています。これはなぜなんでしょうね。働き方改革などで余暇に使える時間が増えてきていることによるものではないかなと思います。

・ウェブサイトを見る時間帯は平日の1:00〜2:00頃

以前は平日の夜のアクセスが多かったのですが、今は更に遅い深夜の時間帯にアクセスが多くなっています。恐らくご主人が見られているのではないかと推測しています。

・これまでの10年とこれからの10年の仮説

10年が経過したときに、なんだかよくわからないけどアクセス解析に変化が出ていたり、受注がうまく取れなかったりしていた時期がありました。その変化がようやく目に見える傾向になってきたので、文章として書けるようになりました。「奥さんのほうが家にいる時間が長いから、家に対するこだわりは強いんだろうなあ」と思ってきたことが覆されて、「ご主人のほうも「アウトドアや薪ストーブが楽しめるように」土間収納スペースや吹抜が欲しい」という要望が出てきたことが最初の頃は驚きでした。特殊な事例だと思っていたのですが、どうやらこれがこれから10年の傾向ではないかと仮説を立てました。

そして、これから10年の傾向という意味では、新築だけではなくリノベーションの受注も増えてきています。

新築以外の手法としてリノベーションする場合も増えています

・「リノベーション」

既存の家を解体して新築すると、既存の家よりも床面積が小さくなるため、骨組みだけ残して新築並みに作り替える。
この手法は、設計にしても施工にしても非常に高いスキルと細かな打ち合わせが必要であり、かつ誰でも出来るものではないことから、競争相手は少ないです。

こちらは築90年の町家をリノベーションした現場です。ここはほんとうに難しかったです。写真左奥のほうに織部灯籠がありますが、これも重すぎてどうやっても移動出来なかったので置いています。

また、今現在も二軒のリノベーションを工事中です。(続きます)

↓5月7日追記

リノベーションとは

統一した定義は無いと思いますので、僕個人として考えるのは「既存の建物の価値や使い方を違う価値や使い方に変えること」と考えています。築40年以前の建物を今現在の生活様式や求められる性能に適合させることと捉えています。もっとザックリ言えば、建物を骨組みだけの状態にして、間取りを変更して、基礎も屋根も壁も断熱材も全てを変えてしまうことです。

ただし、法令上の制限もありますのでそれに従って可能な範囲で出来ることに取り組んでいきます。

求められる性能

エビナ製材としては性能面では断熱性能の向上と耐震性能の向上が最優先と考えています。これらの性能を向上させて、更に人が触れる内装の仕上げ材には無垢材やケイソウ土等の自然素材を使用することで、住み心地の良い家をつくります。

ではどうやって性能を向上させていくかと言いますと

断熱材は吹付断熱材アイシネン

昔は断熱材として、「土」が使われていました。断熱材としての用途だけでなく、和瓦を葺くための下地として使われたり、壁の材料として使われたりと、万能な素材でした。しかし、今の生活の感覚で土を断熱材として使っている町家などの古い家に住むと、冬は寒く夏は暑くて耐えられないです。ということで、断熱性能を今の基準まで向上させる必要があります。

エビナ製材ではアイシネンという現場で発泡させるタイプの断熱材を使用して、スキマなく断熱します。アイシネンはお値段も性能なりに高めですが、断熱材という製品は壁や天井の中に入れてしまうと少なくとも30年は入れ替えることはありませんので、出来るだけ性能の高いものを使うのが良いです。これはホントに。

サッシはアルミ樹脂複合サッシ+Low-Eペアガラス

今の時代の流れとして、窓はコストと性能のバランスを考える場合、アルミ樹脂複合サッシ+Low-Eペアガラスが標準です。お客さんによっては、更に世界レベルまで断熱性能を向上させたい人もおられまして、樹脂サッシ+トリプルガラスという仕様のサッシも使うことがあります。写真の窓は樹脂サッシ+トリプルガラスです。このサッシ、重量がとんでもないです。。。価格もとんでもないです。。。

耐震性能

京町屋などのように、土壁+土台ナシで石場建ての建物になると今現在の建築基準法のつくりとは全く違うつくりになっています。土壁とその下地の竹小舞や貫、そして屋根の土と和瓦で上からの重量で建物を押さえつけるつくりになっています。地震が起こった場合は、石の上に立ててある柱がずれることで力を逃がしたり、建物全体がしなることで力を逃がすように出来ています。ですので、今のような筋違いや耐力壁を使ってガチガチに建物を固めてしまうやり方ではありません。

また重心についても、昔は屋根に土と和瓦で相当な重量があったため重心は上にありましたが、今は屋根を金属板で葺くことで屋根を軽くして重心を下にするようになっています。

というように考え方が180度変わっているため、構造によって耐震補強のやりかたも変わってきます。

出来る限りの耐震補強はしますし、今の新築の場合の耐震性能に近付けることは可能かもしれませんが、まったく今の基準になるわけではありません。

構造に使用する無垢材の樹種

構造に使用する無垢材の樹種は、床下の土台・大引には桧(シロアリや腐りに強い)、柱は杉か桧(同左)、梁など横架材には米松(大径木が確保出来る)を主に使用しています。既存の建物を解体していると、桧や杉の柱や土台は確かにシロアリや腐りにやられていないので、この樹種の選択は間違っていません。また、樹種の選択だけでなく、構造が濡れないように湿気ないように乾燥を保つように考えて施工することも大切です。

内装の仕上げ

内装の仕上げについては、お客さんの要望に応じてつくっていきます。

ただし、抜けない柱や梁や壁は必ず出てきますので、それを工夫して活かしながら仕上げます。つくり方はお客さんによって多種多様ですので、決まったやり方はありません。どれも同じような仕上がりにならないのはこのためです。

床には杉や桧やパイン、人によってはナラやタモを使用します。壁や天井は人が長く居るLDKにはケイソウ土やしっくいで仕上げ、それ以外はコストダウンのために壁紙で仕上げることが多いです。

棚や家具のご要望も非常に多いですね。

エビナ製材で注文住宅やリノベーションを依頼する場合の初面談から完成引き渡しまでの流れ

どうもみなさんこんにちは、エビナ製材海老名宣行です。

今回はエビナ製材で注文住宅を建てる場合の、初面談から完成引き渡しまでの流れを書いていきたいと思います。今回も何回かに分けて追記していきます。

まずは資料請求

そもそもエビナ製材のウェブサイトは基本的に読みものとして使えるようにインタビューはボリュームのある内容になっています。家を建てさせていただいたお客さんにインタビューさせていただいて、エビナ製材の評判をお伺いしています。

でもインタビュー記事だけでなく、もっとエビナ製材や価格や仕様について知りたい場合や、コンタクトを取って注文住宅やリノベーションのご相談やプラン作成や見積の依頼をしようと思われたら資料請求してください。

次にモデルハウス見学、完成見学会、OB客見学会

資料が届いてじっくり読んでいただいて、一度現物を見たくなったらモデルハウス見学のご希望やタイミングにもよりますが完成見学会に参加していただくとよりわかりやすくどんな木の家をつくっているのかがわかります。

大事なのは、ネットや紙の資料だけでの判断ではなく、自分の五感の感覚でその注文住宅や担当の人をどう感じるかというのも大切な要素です。理論も大事ですが、好き嫌いといった直感的な感覚も大事です。

プランと見積の作成依頼

モデルハウス見学でも完成見学会でもどちらの場合でも、「土地をこれから探そうと思うけど、その前に建てる会社もまわってみよう」というかたもおられますし「土地はあるからここに注文住宅を建てたらどんなプランになっていくらくらいかかるか」を相談に来られるかたもおられます。いろんなかたが来られます。

土地探しについては、エビナ製材では専門的に土地を扱っておらず土地に対しての目利きもできませんので、仲介を専門にしている不動産屋さんでご相談くださいとお伝えしています。

エビナ製材の専門は「より性能が高くより自由度の高い木造住宅の設計と施工」です。

土地の候補がいくつか出てきましたら、またご相談いただいてどんな家が建つのかプランと概算見積の依頼をかけてください。急がれる場合は別として、原則として2週間ぐらいの時間を目安に提出しています。

依頼する建築会社の決定

プランと概算見積を作成してもらって、どこに注文住宅の建築を依頼するかを絞り込んで決定していきます。縁あってエビナ製材でということであれば、そのままの流れでプランと見積を固めていきます。

固まってきたら建築確認申請

打ち合わせを繰り返してプランと見積が固まっていくのを待ちます。「固まっていく」とは、「(建物が建ってからは別として図面の状態では)もうこれ以上変わることがない状態」のことです。少なくとも3ヶ月ぐらいの時間がかかると見ています。

固まってきたら、行政に対して「こういう建築物をつくりますという書類を作成提出」します。これが「建築確認申請」です。建築確認申請後、図面の変更があっても変更するのに申請費用がかかるなどお金がかかることになるので、そうならないように事前に図面を固めます。

そして、時間があれば建築模型もつくります。妻製作です。

これがあると立体が把握しやすくなり、三次元の理解がしやすくなるので良いと思います。

今日はここまでです。

着工(既存建物解体着工もしくは基礎着工)

上棟

仕上げ

完成引き渡し

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