京都の木の家注文住宅のエビナ製材ブログ

町屋の解体現場の片持ち梁

ようやく散髪出来ましたが、妙に額が広くなっているのは気のせいでしょうか。
海老名宣行です。
京都で木の家の注文住宅をお客さんと一緒につくっています。

先日、材木屋さんとして工務店さんの現場まで配達に行ったときに気になって撮った写真です。

片持ち梁 片持ち梁

京都の古い木造家屋いわゆる町屋で、いつも目につく玄関上の下屋根の構造です。
道路側から見ると玄関の上にただ単に瓦が乗っかった屋根にしか見えません。

前から気になっていたのは、「瓦そのものが相当な重量があるのにどうやってこの重さを支えてるんだろう?」という点です。
マニアックですね。笑

家の中側に飛び出している一本の木があるのですが、これが下屋根を支えている梁です。
てこの原理が利用されていて、一方の端に瓦の重量がかかり、もう一方は瓦の重みで跳ね上がらないように建物の構造の梁で上から押さえつけているのがわかります。これを片持ち梁というのですが、まあそんな難しいことは置いておいて。

ちなみにこの片持ち梁は、今現在でも木造住宅の跳ね出しタイプのバルコニーでは利用されています。
(※家の中側に突き出す長さは構造の安全上もっと長くなっています。)

古い家によっては、軒を出来るだけ深くするために、無理矢理この下屋根を伸ばして瓦の加重がかかりすぎて耐えきれずに下屋根が垂れ下がってしまっている例も多々あります。京都市内を歩いても車でもウロウロしているとすぐ見つけられます。

軒は深ければ深いほうが良いですが、無理するのは後々直すのが大変になります。
長い年月重みに耐えられるように、構造をしっかりさせておくのが良いですよ。


トップへ